クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

 朝7時半過ぎ、朝食を食べていると、牧師館の向かい側にある駐車場に車が止まる。もう出社した人の車である。こちらはまだ朝食なのにもう出社している。勤勉な人だと思うと同時に、自分は怠けているような錯覚に陥った。


 朝早くから夜遅くまで、この世の人は働いている。自分はまだ朝食を食べていて、次に、コーヒーを飲んで、と仕事に入るまでにまだ時間がある。でもこの世の人はもう仕事についている。時間をかけて働けば成果が上がる、それがこの世の仕事であるが、牧会の仕事はそうではない。時間をかければ成果が上がるとは限らない。牧会は、一つの魂を徹底的に大切にしていくこと、時間をかけることは必要になるが、自分の思うとおり、願うとおりには事は運ばない。忍耐強く祈りつつ、一つの魂に関わっていくことが重要と思わされた。


 夏期学校の間、ショートステイで施設に入園した妻の母を迎えに行く。元気そうで安心。「昼は何にする」と僕の気持ちを妻が聞くので、「ピザパイが食べたい」と返事。昼食後、録画したプロフェッショナルを見る。人の意識改革がテーマ。赤字を出す工場をいかに黒字化させるか、工場再生のプロの話。自分で考えて働く人を育てることが大事とのこと。当たり前のことかも知れないが、指示待ちの従業員。どうしたらいいか、工夫も考えもしない人間の意識改革。ある意味、僕は教会再生の務めを負っているのか、と考えもした。


 四国の方から電話をいただいた。僕のホームページを見ていただいてから知己になった信仰者の方である。「感謝です」と気持ちを伝えてくださった。でも、これからガンの手術をなされるとのこと。「すべて神様にゆだねています」。試練の中で神様にゆだねる決心をすることは素晴らしいことだと思う。電話にて祈る。


『決壊』(平野啓一郎)上下巻を読み終わる。2002年10月全国で犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。殺人を犯し遺体をばらばらにした犯人が自らを悪魔と称して、犯行理由を示すDVDを配る。人は「幸福」を偶像化しているとの「悪魔」の演説は興味が引かれた。死刑について、赦しについて、犯罪被害者の立場について、犯人の家族を責めるマスコミ、嫌がらせをする人々、幸福について、色んなことを考えさせる小説。力量のある作家だと思う。聖書の引用もなされている。