クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

『永遠の0』(太田出版百田尚樹著)を読み終えた。終わりの部分は涙なしには読めなかった。僕にとっては読んで良かったと思える本だった。


 主人公の「ぼく」は姉から祖父のことを調べてほしいと依頼を受ける。「ぼく」の祖母は実は再婚であり、最初の夫は戦死している。戦死した祖父の調査をする。祖父は、妻に、「必ず、生きて帰る」と言って戦地に行った。「ぼく」は祖父と戦地で一緒だった人にインタビューをする。ある人は、「生きて帰りたい」という臆病な人間だったと語る。インタビューした人々が、祖父について異なった人間像を語っていく。


 僕が感銘を受けたのは、祖父である宮部久蔵の人となりである。軍隊という絶対的な上下関係の世界で、はっきりとものを言う点である。しかも部下を思って語る点。宮部はそのために上官からひどく殴られたりする。命を賭けて言うべき時にははっきりとものを言う。出会った人々は、そんな宮部に敬意をもつし、自分の命を賭けても良いとさえ思う。人に感化を与えることのできる人間は、人のために命を惜しまない人であると思わされた。


 僕も、十字架で死んだイエスの感化を受けて、この人のために、と牧師になっている面がある。