■

　NHKで「猫のしっぽ、カエルの手〜京都大原ベニシアの手づくり暮らし」という番組がある。京都大原で暮らすベニシアさんの生活を映し出す。自然に囲まれ、自然を愛してのゆっくりした生活。我々がいつの間にか忘れてものがそこにある生活が垣間見られる。番組の最後の方でベニシアさんが短い言葉を語るが、それが素晴らしい。第16回目の「秋の音楽会」の時には、以下の言葉を聞いた。

植物はとても敏感です
わたしたちの悲しみや
喜びも感じとります
電化製品の近くに置くと
しおれて
枯れてしまうこともあるのですから
逆に植物に
やさしく語りかけ静かで安らかな
音楽をかけてあげると
喜んで元気になります
植物は美しい女性と同じ
きれいだよと言ってあげると
丈夫に育ってたくさんの花を
咲かせてくれます
わたしたちも
自分の心の声を敏感に感じとりましょう
そうすれば周囲の草木の鼓動まで
感じられることに驚くでしょう

　自分の心の声を聞かないで何と長く生きてきたことか。今は少しずつ聞くようにしているが。僕も鉢に植えてあるスミレに声をかけなければいけないか。この秋、ツマグロヒョウモンの幼虫を何匹駆除したことか。数え切れない。今日も駆除した。それでも僕の駆除を免れながら、２頭がさなぎから成虫となって旅立っていった。