先日、NHKの朝のテレビ小説「ゲゲゲの女房」でこんな場面があった。水木しげるにスランプが訪れた。原稿の依頼が途絶えたのである。テレビ番組の取材を受けたが、取材スタッフが家を出た時に、水木漫画は古いと語っているのを買い物から帰ってきた妻が聞く。そして長年の友人で出版社を営み、水木漫画のよき理解者が「水木さん、スランプなら、徹底的に悩んでください」と言う。とても印象に残った。
↑夏の立山にて
人から相談を持ちかけられたり、祈りを求められることがある。適切なアドバイスをして、問題が解決すれば、相談者に喜ばれるだろう。そして牧師としてより信頼されるようになるだろう。だからより適切なアドバイスをするには、と考える。しかし自分は専門家ではないから、これに従えば大丈夫という適切なアドバイスはできないな、とも思う。専門家は、色んな事例を知っているが、僕は原則しか話せない。そんなことを電話を受けて、今朝思っていた。そしてしばらく本を読んでいるうちに、ゲゲゲを思い出した。悩む人は徹底的に悩めばいいのである。徹底的に悩み、聖書を読み、神に祈り、悩めばいいのだ。悩むべき事柄は徹底的に悩む、それが大切なのだ。牧師にできることは、祈ること、寄り添うこと、それでいいのだ、と思わされた。そして、それでいいのだと思う。