クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

 激しい雨が降る中であったが、人から紹介されて『少年H』という映画を見た。Hとは、少年の名前の肇(はじめ)のイニシャルであり、少年は、大きなHの文字が刺繍されたセーターを着ている。父は洋服の仕立てを行い、母は敬虔なクリスチャンである。この家族が昭和の戦争の時期をどう生きたかを描いている。映画の最初に礼拝の場面が出てきて、昭和の初期の礼拝はこのように行われていたのかと知れて、ジ〜ンと来る。

 戦争の時代の様々な困難が描かれている。信念を貫く人、時代に流される人、迫害に耐える人、心の弱い人、色々な人が登場する。戦争の時代に生きることが大変であることをあらためて知る。主人公の少年は正義感が強い。


 戦争の時代を描いている。その中で、<お国のために>という言葉が魔法の言葉であるかのように、人々を一定の方向に向かわせる。<お国のために>というとなかなか反論ができない。反論すれば、非国民とされる。少年たちは<お国のために>命を捧げようと互いに励まし合う。同級生が「特攻となって命を捨てよう」と話すと、少年Hは「そんな自爆行為は政治の失敗からくるものや」と鋭い批判をする。そして同級生から殴られる。<お国のために>という魔法の言葉は恐い。これは一種の偶像である。教会では<神さまのために>という言葉がしばしば聞かれるが、魔法の言葉にはならない。またなってはいけない。