クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

 朝、NHKのニュース番組を見ていたら、自治体発注の工事の入札が成立しないで工事ができない状況があるとのこと。耐震化が求められる学校の校舎の建設もできないとのこと。業者の見積もりは、自治体の予定価格を超えているので、自治体は発注できない。資材の高騰、人手を集めることができない現実があるらしい。人件費を倍出すから作業員を集められるかというと、それでも集められないらしい。業者からすれば、見積価格を下げることもできない。最近は、円安のために鉄筋の価格が高騰していて、まだ上昇中とのことで、業者としても見積もりするのがむずかしい。オリンピックのための工事が優先されると、ますます我々の生活に必要な公共工事に影響が出る。
 おかしな世の中になったと思う。建築現場では人手が足りない。人件費を倍出すと言っても、人が集まらない。他方で多くの人が非正規雇用のために安い賃金で働かざるを得ない状況がある。
 今度消費税が上がる。消費税の高騰は、弱者をいじめ強い者が儲かる仕組みだという。大企業が中小企業に部品の製造を発注するとする。中小企業は消費税分を上乗せすることはできない。何故なら大企業は発注する業者を選択することができるからである。大企業は、以前と同じ価格で発注することができ、消費税を乗せた価格で販売する。消費税分利益が増えるというのである。なるほどと思う。そういう面はあるだろう。消費税が上がればこれ以上商売を続けることはできないという声はいくらでも聞くことができる。
 大企業優先の政策を行い、日本の経済を支えている中小企業、そして労働者(我々国民)の生活を顧みない政治は、日本を崩壊させるだろう。足腰が強くなければ人は立つことはできない。足腰、それは労働者(国民)であり、中小企業である。気がついたら支えてくれている足腰がボロボロ役に立たない情況になっているという事態が近づいているのではないか。

一将功成りて万骨枯る。

という言葉がある。一人の将軍が名を上げた背後には、無名のまま犠牲となった一万人の兵士が骨と化して戦場にさらされているという意味。そこから下で働く者の苦労を忘れるな、という戒めの意味を含むとのことである。将軍の場合は名誉が残るかも知れないが、どんなに美しい建物、美しい日本も、基礎がボロボロになれば倒れる。


朝日新聞の<声>の欄に深く共感できる意見が出ていたので、そっくり引用する。

首相はハーメルンの笛吹き男か


 安倍晋三首相が絶好調である。経済の好転とリベラル不在の自公一枚岩を背景に、特定秘密保護法を成立させ、中韓の反発も覚悟の上で靖国神社参拝を断行した。沖縄県名護市長選挙では、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市長が再選されたものの、予定通り移設に向けた作業を進めるつもりのようだ。また、集団的自衛権行使の容認まで、あと一歩のところまでたどりついたようである。
 私はグリム兄弟の「ハーメルンの笛吹き男」という中世ドイツの町の物語を思い出した。美しい笛の音でネズミを退治した男が、報酬への不満から、今度は笛の音で町じゅうの子どもをおびき出し、さらって行ったという恐ろしい話である。
 アベノミクスは、安倍さんの吹く笛の、美しい音色に似ていないだろうか? 安倍さんはこの笛で、日本と日本人を、どこへ連れて行こうとしているのだろうか?
 長い経済不振の中でも日本人は近隣諸国との友好関係を維持し、自由な言論を守ってきた。この日本への評価の高さは、海外に出ればすぐ感じられることである。景気回復は喜ばしいことである。しかし、これに浮かれて、日本の行く末を見誤らないようにしたいと切に思う。