クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

 まっとうなことが通らない時代

<まっとうなことが通らない>時代が来ているのか、と危惧を感じます。


 今朝NHKの朝の連続ドラマで、主人公の夫が防火演習の責任者となって演習をしたとき、逮捕されるという場面がありました。防火演習ということで、建物に火をつけ、バケツリレーで火を消すのですが、彼は燃えている火にガソリンをかけたのです。そして言うのです。

焼夷弾が降ってくるんは、空から火ついたガソリンが降ってくるようなもんや。消してなんかおられん。命が惜しかったら、とにかく逃げろ」

と演習参加者に大声で話しました。さらに

「街は人を守るためにあるんです。街を守るために人がおるんやないんです。街を守るために命なんか捨てるんは、道理が通らんのや」

と叫んだのです。まっとうな話しです。


 演習の現場には視察に来ていた軍と警察の関係者がいたので、怒りを買い、即刻逮捕です。戦時中はまっとうなことが通らない時代でした。そして今、まっとうなことが通らない時代が到来しているように思えてしかたがありません。


まっとうなことが通らない、その1.
 NHKの経営委員は首相が任命し国会で承認を得る手続きが必要です。小説家の百田尚樹氏が経営委員になっていますが、彼は都知事選挙で支援する候補者の応援演説の中で、他の候補者を<人間のくず>と呼びました。後で<言葉が過ぎた>とあやまっていました。
 少なくとも他者のことを<人間のくず>と口に出すような人が公共放送の経営委員になるのは納得できることではありません。あやまって済むことではないと思います。聖書の言葉が思い起こされます。

人の口からは、心にあふれていることが出て来るのである(マタイ12:34)。

 NHKは国営放送とならないように権力者(政治家)と距離を置いて公共放送を行う立場にあります。そして経営委員によって選出された籾井勝人という人は、政権に反対するような放送はできないと個人的な見解とはいえ、口にしています。また彼は、NHKの10人の理事に対して、日付を入れない辞表を要求したとのことです。自分の意に沿わない人物は、日付を入れて罷免できるようにしているのです。権威を笠に着たような人が、NHKの会長にふさわしいとは、到底思えません。


まっとうなことが通らない、その2.
 集団的自衛権を認めることができるように憲法の解釈を変更するという動きがあります。国際連合憲章には、どの国も集団的自衛権を持つことができると書いてあることを根拠に引き出しています。国際連合憲章は国連に加盟している国に適用されるわけですから、集団的自衛権を持つ権利が日本にはあります。しかし日本は、紛争を解決するための手段としての軍隊を持たないと宣言する憲法を持っています。国際連合憲章よりも、日本国憲法の方が優先するのです。この順序を逆にしようとする、それはまっとうなことではありません。


 権力者が自分に都合よく物事を動かそうとして、まっとうなことが通らない時代が来ています。


あなおそろしや。