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隠退牧師 holala によるブログ

ご都合主義の発言

 集団的自衛権についての議論が自民党公明党の間でなされている。具体的な事例を持ち出し、検討するわけであるが、詰まるところ安倍政権は、自衛隊を戦力として、最終的には軍隊とし、日本を強い国にすることを目指しているのだと思う。


 日本は戦後、憲法で武力による平和追求を捨てた。軍事力を持つ権利を放棄して、軍事力によらない平和追求を宣言した。それがいやな人たちもいる。強い国になるには、軍事力が必要と考える。今の自衛隊は、質量共に、立派な軍事力を備えている。後は、実際に戦争できる強い国だと宣言し、うかつに日本を攻撃できないように抑止力を働かせて平和を維持する、これが安倍政権の積極的平和主義である。理想を捨て、日本は戦争ができるただの国になってしまう。戦争をせず、平和を追求するという日本の誇りがないがしろにされそうである。


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 <日本人の命を守る>と集団的自衛権の必要性を語るが、ご都合主義の発言であることは明らかである。原発再稼働を企てているが、安全は少しも保証されてはいない。先日朝日新聞で吉田調書なるものが紹介されていた。福島原発の事故が起きた当時、原発の責任者の吉田所長の発言記録である。これを読んだら、原発は怪物であることが分かる。つまり制御不能になりかけ、原発で働いている人たちが職場を捨て、逃げたことが書かれている。制御不能となった怪物からは逃げるしかないというわけである。無責任な東電の実態が明らかにされている。多量の強い放射能が外に放出される危険をどうやったら防ぐことができるかの検証・対策もないまま原発を再稼働させるのは、恐ろしいほど人命軽視である。手に負えない怪物が暴れたら誰が責任を負うのだろう。


 日本人の人命を守ると言って集団的自衛権を主張し、原発の再稼働を主張しながら、人命尊重は一言も言わない。ご都合主義の主張をする最高権力者を信頼するわけにはいかない。この国の舵取りは任せたくない。