クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

これはモーセ十戒の中の命令です。

隣人に関して偽証してはならない(出エジプト記20章16節)。

 嘘を禁じています。明らかな嘘は非難されますが、たくみにごまかし、嘘をつく例はいくらもあります。鈍感にならず、敏感でありたいと思います。目覚めていたいと思います。


以下は日本経済新聞WEB刊(10月23日)からの引用です。

宮沢洋一経済産業相は21日午後、経産省で就任後初の記者会見に臨み、エネルギー政策に関して「安全性の確認された原発の再稼働は進めていく」と語り、九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県)の再稼働を目指していく姿勢を示した。川内原発は1、2号機が原子力規制委員会安全審査に合格し自治体の同意を取り付ける段階にある。併せて宮沢氏は、再生可能エネルギーの活用も進める方針も述べた。

 原子力規制委員会は、原子力施設の設置や運転等の可否を判断するために<新規制基準>を定めています。福島原発事故を受けて、規制基準を更新したものが、新規制基準と呼ばれています。
 先日、鹿児島県にある川内原発の再稼働について、原子力規制委員会は、新規性基準に適合しているとの判断を下しました。原子力規制委員会のサイトには、こう説明がなされています。

この新規制基準は原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのものです。しかし、これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません。原子力の安全には終わりはなく、常により高いレベルのものを目指し続けていく必要があります。

そして原子力規制委員会の田中俊一委員長はこう述べています。

安全審査ではなくて、基準の適合性を審査したということです。ですから、これも再三お答えしていますけれども、基準の適合性は見ていますけれども、安全だということは私は申し上げませんということをいつも、国会でも何でも、何回も答えてきたところです。

 最初の宮沢洋一経産省大臣は、<安全性の確認された原発の再稼働は進めていく>と述べていますが、彼は、<安全性の確認>をどう考えているのでしょうか。おそらく原子力規制委員会が、電力会社が提出した再稼働運転に関して新規性基準に適合していることを認定したことをもって<安全性の確認>がなされたと判断していると思います。ここには拡大解釈による誤魔化しがあります。


 原子力規制委員会による新規性基準に適合しているとの判断は、適合していることだけを意味しているのであって、原子力発電の安全を保証してはいません。そのことは田中俊一委員長も明確に述べています。


 そして日本経済新聞も、適合性を満たしたことをもって<安全審査に合格>と述べています。これは正確な報道ではありません。原発というのは、リスクがあるのです。ですから、絶対安全ということは言えません。それなのに<安全審査に合格><安全性が確認された>とあたかも安全であるかのようにいうことは嘘をついていることになります。


 <原発はリスクがありますが、安全に関して、新規性基準は満たしています>と表現するのが正確であり、正直なのです。政治家やマスコミが一つとなって<今度は原発は安全>という安全神話を宣伝していることに大いなる危惧を感じます。事故が起きたら、誰が責任を取るのでしょうか。リスク(危険)があることを述べないのは、ごまかしです。


 自動車や飛行機が安全であるとは誰も思っていないと思います。交通事故に巻き込まれる可能性はあります。飛行機が墜落の可能性はあります。でも私たちは、安全確保の努力がなされていることを認め、利用しています。リスクを受け入れているのです。航空会社が、わが社の飛行機は安全ですと言ったら、追求されることでしょう。原発においてはごまかしがまかり通っています。マスコミの責任も大きいと思います。原発に関して、もし再稼働をするなら、リスクを社会が受け入れることができるように最大限の努力をすべきなのです。ごまかしは無責任です。そして政治家を選ぶのは、私たちの責任です。