クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

心を汚(けが)さない

 私はテレビでドラマを見るのが好きです。年をとっていますから、恋愛ドラマなどは見ません。ドラマを選ぶ一つの基準は出演する役者です。ひいきの役者さんが出るドラマを見ます。8月から『竜の道』というドラマが始まりました。玉木宏さんが出演します。第一回目を見て復讐がテーマであることが分かりました。一筋縄ではいかない復讐を成し遂げるドラマのようでした。悪人を懲らしめる物語ですから、見ていて痛快な面があると思います。しかし何となく気が進まず二回目から見るのをやめました。

 日曜日には「倍返し」で知られるドラマ『半沢直樹』が放映されています。こちらのドラマは前宣伝が繰り返し行われていたように思います。多分人気ドラマになるのだと思います。こちらも見ることはしませんでした。復讐とか、仕返しをテーマとするドラマは見なくてもいいかなと思いました。

 昨日からマタイ福音書で「復讐してはならない」と見出しがついている箇所を思いめぐらしています。

「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」。

 「目には目を、歯には歯を」は旧約に書かれている神の教えです。人間というのは、人から何かされたら仕返しをします。しかも恨みを晴らすために、相手からされた以上の仕返しをしがちです。「倍返し」という言葉もそのことを表しています。神さまの教えは、自分がされた以上の仕返しはするなと語ります。相手が与えた損害と同じだけ賠償してもらうとの教えです。正義にかないます。
 しかしイエス様は「悪人に手向かってはならない」と教えます。これは自分に悪を働いた人に対して、何もするなとの教えです。つまり仕返しをするな、との教えです。だから右の頬を打たれたら左の頬をさし出しなさいとの教えになります。左の頬をさし出すとは、仕返しをしないことを意味します。

 世の人たちから見たら愚かな教えです。バカバカしい教えです。でもイエス様は、ご自身を信じる人は仕返しをしないようにと教えます。仕返しをしないというのは弱虫に見えます。イエス様はそうは考えません。仕返しを考える人は「自分」に執着する人間です。人にはプライドがあり、仕返しをしないなんて考えられません。プライドが許しません。つまり自分に執着しているのです。自分に執着するな、これがイエス様の教えです。イエス様は教えられました。

マタイ 16:24
「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」。

 自分を捨てるとは、自分に執着することをやめることです。イエス様は「悪人に手向かうな」と教えるだけではなく、敵のために祈りなさいと教えられます。これが私を信じる者の姿だとイエス様は教えられました。

 それでドラマの話しです。復讐のドラマ、倍返しのドラマ。ハラハラしながら悪者を懲らしめていくのは痛快です。でも痛快と感じる心、それは復讐を喜ぶ心です。悪人は懲らしめられて当然と思う心です。しかしそれはイエス様を信じる人が持つ心とは違います。イエス様を信じる人は、仕返しを考えない人です。これらのドラマを見ることは自分の心を汚(けが)すことになるのだと思いました。

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コキア 和名 ホウキギ 馬見丘陵公園