3.分かち合いのリーダーの役割
(1)自由な発言を促す
祈祷会のような場では自由な分かち合いができるようになるには時間がかかると思います。
自由に、そして安心して発言できるためには、
- 他者の意見を批判したり間違っていると否定しないこと
- 他者に教えるような発言はしないこと
- 分かち合いの場にいない人に話し合いの内容を伝えないこと
これらのルールを徹底するようにして安心して自由に発言できる雰囲気を作ります。
リーダー(牧師)は、参加者の発言を聞くことに心がけます。自ら発言して色々教えようとはしません。自分で聖書を読むという参加者の自主性を大切にします。自分で聖書から読み取ったことは心に残ります。牧師が解説して教えたことはそんなに心に残りません。
話し合いが変な方向に行ったとき、それを正す交通整理がリーダー(牧師)の役割のひとつです。時に話し合いが雑談に走ってしまいます。これはこれで楽しいので、否定してはいけないと思いますが、行きすぎたら話し合いを元に戻します。
参加者の発言について、ほめることもリーダー(牧師)の大事な役割です。
(2)適切な質問をする
聖書が伝えようとしていることを牧師が伝えるのではなく、参加者が話し合いによって気づくように、学んでいくように導きます。そのために必要な質問ができるといいと思います。こうしたやりとりで聞いたことは心に残ります。
質問の例
発言-1
「私は神さまの戒めを守れなくて、ダメなのよね」
質問-1
「神さまの戒めを守れないとダメだと皆さんも思いますか。どうです?」
質問-2
「そもそも神さまの戒めは守らなくてもいいんですよ。なぜなら私たちはイエス・キリストを信じることによって救われるんですから。神の教えを守ることによって救われるのではありません。だから神さまの戒めを守れなくてダメなどと考える必要はないんですよ。どう思いますか?」
発言-2
「それじゃあ、信仰者として生きるとき、神さまの教えを守らなくていいということですか」
質問-3
「守らなくていいと思いますか?神さまを信じる人が神さまの教えを守らないなんておかしいですよね。どう思いますか?」
発言-3
「だから神さまの教えを守れない自分はダメだと思ってしまうんです」
質問-4
「私たちは努力すれば神さまの教えをきちんと守れる信仰者になれるのでしょうか。どう思いますか」
・・・
私はこのような質問をするのが好きでした。世間では自由な活発な話し合いを導く人をファシリテータと呼んでいます。
(3)時間の管理
終わりの時間を気にして進行を導きます。