クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

「すでに」と「いまだ」(2)神の国

マルコ 1:15
「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

 主イエスはこのように語り、その活動を始められました。主イエスは神の国を宣べ伝えました。神の国は、神の御支配という意味です。福音は良い知らせという意味です。神の御支配の下に生きる、それが救いです。神の御支配、これが福音です。神の御支配の下に生きなさいと主イエスは宣べ伝えられたのでした。悔い改めとは、方向転換を意味します。ここでは自分の生きたいように生きることから、神の御支配の下に生きるように方向転換をするように主イエスは語られました。

 主イエスはご自分のもとに連れてこられた病人を癒やし、盲人の目を開いて見えるようにし、悪霊に取りつかれて苦しんでいる人から悪霊を追い出されました。これらの奇跡は人々を驚かせ、主イエスの評判はイスラエルの至る所まで広まりました。このような奇跡は、神の御支配が現実にあることを示すしるしでした。神の御支配が現れ、病気が癒やされ、悪霊が追い出されたのです。

 神の御支配は「すでに」始まりました。イエス・キリストを信じる私たちは神様のご支配の下に生きることができるようにされました。しかし、神の御支配は、完全な形では「いまだ」現れていません。終末の到来と共に神の御支配は完成します。完全な形での神の国が実現します。

 私たちが生きている世界を見るとき、神の御支配があるようには見えないことは確かです。たとえばロシアのウクライナ軍事侵攻、それによってウクライナの街が徹底的に破壊され、沢山のウクライナ市民が命を奪われている現実があります。多くの人が祈っていますが、なかなかウクライナに平和が回復しません。神の御支配があるようには見えません。

 神さまは人間に自由を与えてくださいました。人間の自由を取り上げたり、人間が自由に行動するのを妨げることはなさいません。言い換えると人間が犯す罪がこの世界を覆っているということです。現代人は神の前に人間が罪を犯すことを真剣に取り上げません。まして罪が人間を支配しているという聖書のメッセージを相手にしません。人間は善を行うことができると考えています。現代人は罪を問題視することはしません。しかし人間の罪は、世界の現実に明らかに現れています。

 この世界における神さまのご支配は、はっきりとは見えません。しかし神の御支配はイエス・キリストを信じる者の上には確かにあります。イエス・キリストを信じる者は、新しく生まれ、聖霊がその人の内に住んで下さり、神の子として生きていきます。罪と戦い、罪に打ち勝って生きていきます。それは神の御支配の現れに他なりません。

 イエス・キリストを信じる者は神の御支配を信じ、神の御支配の下に生きていきます。神の御支配を証しし、広げていく、それが教会の働きであり、私たちが福音の証しをする意味であり、伝道の意義がここにあります。

 そしてキリスト者は、「いまだ」来ていない神の御支配が完成する終末の時に向かって生き、神の国の完成を待ち望みます。

~~~~~~~
信仰を考えるときに大切なキーワード
「すでに」と「いまだ」

ウツギ(卯の花) 馬見丘陵公園