罪に対して死んで罪から解放されることを考える前に、解放と自由こそ神の救いであることを確認したいと思います。
旧約聖書にある出エジプトの出来事は、とても大切な物語です。この出来事を通して、神の民イスラエルが誕生しました。そしてイエス・キリストの十字架の出来事を通して新しい神の民、神のイスラエル(ガラテヤ6:16)、キリストを信じる群れ、教会が誕生しました。
出エジプトの出来事は、神の民は捕らわれから解放された自由な民であることを伝えています。そしてこれはキリストを信じる群れもまた捕らわれから解放された群れであることを指し示しています。出エジプトの出来事はキリストの出来事を指し示すという意味で、とても重要です。
イスラエルの民は、エジプト王の奴隷となっていました。彼らはつらく苦しい生活をしており、神に助けを求めて叫びました。そして神は彼らの叫びを聞き、彼らをエジプト王の支配から解放しました。そしてイスラエルの民はエジプトを脱出し、神に導かれて、自由に生きることのできる土地を目指して荒野を旅しました。イスラエルの民は、エジプト王の支配、エジプト王の奴隷状態から解放されました。そしてシナイ山の麓で、神の民として生きることを選びました。神はイスラエルの民の神となり、イスラエルの民は、神の民として生きることとなりました。
イスラエルの民がエジプトを脱出する前夜、神はエジプトに大いなる災いをもたらしました。エジプト人の家では、その家に最初に生まれたものが皆死ぬという災いです。しかしイスラエルの民は、小羊を屠り、その血を家の入り口に塗るように神から命じられました。神の災いは、その血を見て、イスラエルの家を避けたのです。小羊の血により、イスラエルの家は神の災いを免れ、エジプトを脱出し、エジプト王の支配から解放されました。
そしてキリストは神の小羊として罪の贖いのために十字架につけられました。キリストを信じる者を罪から解放するためでした。出エジプトの出来事は、キリストを信じる群れ、新しい神の民は、罪から解放された民であることを指し示しています。ここに出エジプトの出来事の意義があります。
イスラエルの民は、エジプト王の支配領域の外に出ました。それでエジプト王の支配から解放されました。エジプト王の奴隷状態は終わりました。
聖書には、エジプト王が軍隊を率いてイスラエルの民を連れ戻しに追いかけてきたことが書かれていますが、神は、エジプトの軍隊を全滅させ、イスラエルを守ったことが書かれています。
解放と自由こそ神の救いです。