モーセに率いられてエジプトを脱出し、神が与えられる地を目指して旅を始めたイスラエルの民。旅の途中、シナイ山の麓で神はイスラエルの民と契約を結ばれました。神社やお寺で拝まれる神仏は、人間と契約を結ぶことはありません。そして聖書の神は人格的な神です。
神はイスラエルの民をエジプトから救い出し、彼らの神となることを喜ばれました。イスラエルの民が神を主と崇め、主なる神に従うことを期待しました。契約内容は双方の約束から成ります。
- 神は、イスラエルの民の神となると約束します。
- 民は、神の民として生きると約束します。
その上で神はイスラエルの民に十戒を与えます。十戒の出だしは神の自己紹介です。
出エジプト 20:2
わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。
そして神との関わりでいかに生きるべきかを示す3つの戒めが与えられます。
- あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
- あなたはいかなる像も造ってはならない。
- あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
ここには禁止条項が書かれています。主なる神に対していかなる態度を取ったらいいのでしょうか。常に神に信頼すること、困難に直面したときは、神に助けを求めることです。すでにエジプトにおいて、神は大いなる業を行って、イスラエルをエジプトの奴隷状態から解放してくれました。
主なる神は、神の民イスラエルを助ける神、救う神です。神は自由に生きることのできる土地へと導かれます。ここに導かれてこそ、イスラエルの民は奴隷状態から救われたと言えます。神は自由に生きる地へと彼らを導くと約束する神です。主なる神は、約束を実現される真実な神です。それゆえ、神の約束に信頼し期待します。神の民にとって神の約束の実現を期待することは非常に大切なことです。約束が実現してこそ、神の民として生きる甲斐があります。そして十戒を通していかに生きるべきか教えてくださるので、これに従います。
神の民イスラエルは、神に信頼すること、神の約束の実現を信じて歩むこと、神の戒めに従うことが大切となります。イスラエルの民は、神との関わり、神との交わりに生きるように召された民です。
そして教会、キリスト者の群れは「神のイスラエル」(ガラテヤ6:16)です。