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隠退牧師 holala によるブログ

礼拝説教 あなたを求める罪

 昨日、T教会で説教奉仕をしました。CSとの合同礼拝でした。説教の紹介です。

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聖書 創世記4章1~7節
説教 あなたを求める罪
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1.導入

→今日は聖書の中の創世記からお話をします。
創世記というのは、この厚い聖書の一番最初にあります。
そこには、神さまが世界を造り、人間を造られたと書かれています。
神さまは、アダムという男の人とエバという女の人を造られました。
アダムさんとエバさんは、エデンの園というところに住むことになりました。
このエデンの園の真ん中には、「善悪の知識の木」という木がありました。
善悪というのは良いことと悪いことという意味です。
この木の実を食べると、きっと何が良いことで何が悪いことかがよく分かるのです。
神さまは、この善悪の知識の木の実を食べてはいけないと二人にお命じになりました。
良いことと悪いことの区別がはっきり分かるなら、
食べた方がいいんじゃない、と思うかもしれません。
神さまがなぜ食べてはいけないと言ったのか、
その説明は、今日はしません。
神さまは食べてはいけないとはっきり命令しました。
でもアダムさんとエバさんは、これを食べてしまいました。
食べてはいけないとの神さまの言いつけを守りませんでした。
神さまの言葉に背きました。
神さまに対して悪いことをしたのです。
「神さまに対して悪いことをする」ことを聖書では、「罪を犯す」と言います。
アダムさんとエバさんは罪を犯し、
神さまに怒られました。
その結果、エデンの園から追い出されました。
聖書は、人間が神さまに対して悪いことをしたという物語から始まっています。

2.何が起きたのか。

→アダムさんとエバさんは結婚しました。
そして二人の子供を授かりました。
二人とも男の子で、
お兄さんがカイン、弟がアベルです。
二人は成長し大人になりました。
大人ですからお仕事をします。
お兄さんのカインは土を耕す人になりました。
土を耕すのですから、お米とか麦とか、野菜を作る人になりました。
弟のアベルは羊を飼う人になりました。
羊の数を増やすことがお仕事です。
羊はそのお肉を食べることができるし、
羊の毛を使うと着るものができます。

→聖書を読みます。
4:3~4
日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。
アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。

→ある時二人は、神さまにささげものをしたんです。
ふたりとも神さまに守られて仕事ができました。
そして豊かな実りを得たので、
神さまに感謝のささげものをささげたのです。

→すると何が起きたのでしょうか。
聖書を読みます。

4:4~5
主はアベルとその供え物とを顧みられた。
しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、
カインは大いに憤って、顔を伏せた。

神さまは、弟のアベルのささげものを受け取られました。
しかしどういうわけか神さまは、
お兄さんのカインのささげものは受け取らなかったのです。
神さまは、何で私のささげものを受け取らないのか、
神さまは不公平だ、とお兄さんのカインは、
大変怒ったんです。

3.事件の発生

→皆さんにお兄さんのカインの気持ちを理解してもらうために皆さんに中学3年生生になってもらいます。
春が来ると中学を卒業して高校生になります。
皆さんは、仲の良い友だちと「同じ高校に行こうね」と約束します。
そして合格できるようにお互いに一生懸命勉強しました。
一緒に合格できるように神さまにお祈りもしました。
実際に試験を受けてみると友だちは合格し、皆さんは不合格でした。
そんな時、どんな気持ちになるのでしょうか。
お兄さんのカインの気持ちを少しは理解できるかもしれませんね。

→さてお兄さんのカインは怒る気持ちで心は一杯でした。
自分の怒る気持ちを、いつまでも
心の中にしまっておくことができません。
弟のアベルの捧げものを神さまは受け入れたので、
兄のカインは弟が憎らしくなりました。
悔しい気持ちになりました。

→聖書には兄のカインが怒った様子をこんな風に書いています。
「カインは激しく怒って顔を伏せた」。

→すると神さまがお兄さんのカインに言います。

「もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか」。

神さまは言ったのです。「あなたが正しいなら、顔を上げなさい」。
神さまは、あなたが正しいなら、あなたがまごころから
私にささげものをしたなら
顔を上げ、正々堂々と振る舞いなさいと言いました。
心の中にある悔しい気持ち、怒る気持ちを静めなさいというのです。

→さらに神さまは言います。
「あなたが正しくないなら、罪があなたを求めている。あなたは罪を支配しなければならない」。

 もしあなたが怒りの気持ちを静めることができないなら、
また怒りの気持ちに振り回されるのなら、あなたは正しくない、と神さまは言うのです。
 そして「罪があなたを求めている」というのです。
わかりにくい言葉です。そこでこう考えます。
人間の心には色んな思いが湧いてきます。
多くは自分の思いです。
でも時には、神さまから来る思いがあります。
そして罪から来る思いがあります。
これは大抵悪いことをするようにとの思いです。
罪は、あなたが悪いことをするのを願っているというのです。
罪は、あなたが悪いことをするように、あなたの心にささやくのです。
神さまは、その声に聞いて悪いことをしてはいけないとおっしゃいました。

→罪は、お兄さんのカインの心に、
「あなたのしたいことをしたらいいよ」
「自分の気持ちに正直に行動したらいいよ」とささやくのです。
つまり、弟のアベルに怒りをぶつけたらいいよ、とささやくのです。

→私たちの心にも、誰かに対して怒りとか、悔しさとか、憎らしいと思う気持ちとかがあると、
「あなたのしたいことをしたらいいよ」、つまり怒ったらいいよ、との声が聞こえてきます。
罪が私たちに話しかけるのです。
そして自分のしたいことをする、自分の気持ちに正直に行動すると、悪いことをしてしまいます。
怒鳴ったり、ひどい言葉を相手にぶつけたりします。
場合によっては手を出して、ぶったりします。

→カインさんにもそういう声が聞こえてきました。
でも神さまは、その声を支配しなければならないと言いました。
つまりその声に聞いてはいけない、それに従ってはいけない、と言いました。

→神さまは、私たちに悪いこと、罪を犯すことをして欲しくないのです。
神さまは、お兄さんのカインに弟に対して怒り、ぶったり、
なぐったりするようなことは、して欲しくないのです。
同時に、カインさんには、罪を犯すように語りかけてくる声があるのです。
これはお兄さんのカインだけではありません。
友だちが合格し、自分が不合格であることが分かったとき、
あなたの心にはどんな思いが湧いてくるのでしょうか。
私たちも
心の中に語りかけてくる声が聞こえてくることがあります。
この声に従うと、私たちは悪いことをしてしまい、
こんなことをしなければよかったとか、
なぜこんなことを自分はしたのか、
私ってダメねと自分を責めたりします。
今日の聖書には出てきませんが、
イエス様は、私の声を聞いて生きていこうね、
そうすれば大丈夫だよ、と励ましてくださいます。
皆さんの心に、
「あなたのしたいことをしたらいいよ」
「自分の気持ちに正直に行動したらいいよ」という声が聞こえてきた時は今日の聖書を思い出してください。
お兄さんのカインは、弟のアベルを殺しました。
罪を犯したのです。
怒る心に正直に行動して、弟を殺してしまいました。

→私たちも悪いことをしますが、
イエス様が十字架の上で死んでくださり、
イエス様は私の代わりに神さまに怒られました。
イエス様は、これからは悪いことをしないで生きていこうねと私たちに語りかけてくださっています。