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隠退牧師 holala によるブログ

選挙結果を考えて

 先日行われた衆議院選挙の結果にはいささか驚きました。現政権がほぼ同じ勢力を確保しました。そして投票率の低さにも驚きました。安倍政権は、原発の再稼働、憲法解釈の閣議決定による変更、大企業は儲け・大企業の社員の給料は上がっているとしても、多くの庶民は経済的に厳しくなってきている現実があるのに、なぜ、安倍政権が同じ勢力を保つことができたのか、不思議でなりません。原因はあるのでしょう。


 わたしたちは考えなければいけないことがあるのではないでしょうか。


1.支持政党がないから棄権

 「支持できる政党がない、だから投票には行かない」という人たちがいます。投票に行く行かないは、個人の自由です。支持できる政党がないから、投票に行かないというのは、思慮に欠ける考えでははないでしょうか。
 商品を選ぶのと同じように政党を選択しているように感じます。消費者感覚で政党を選んでいるように思えるのです。商品は、私たちが買わなくても、私たちに影響を与えません。しかし政党は違います。選挙が行われれば、必ず政権を取る政党があります。その政党は、政治を行い私たちの生活に影響を及ぼします。投票に行かないということは、政治の結果がどうなっても構いませんとの意思表示です。
 極端な想像をするならば、自衛隊集団的自衛権の発動により、海外で戦いに参加し犠牲者が出るとします。すると自衛隊に応募する若者が減り、自衛隊を維持するために徴兵制を実施するということだって、なきにしもあらずです。その時になって慌てても、時既に遅し、ということになりかねないのです。


2.多様な現実的課題

 政治が直面する課題は色々あります。景気の高揚、エネルギー政策(原発の再稼働をするか否か)、自衛権の問題、社会保障の充実(年金、生活保護などの社会的弱者の支援)、国家予算の膨大な借金問題、女性の活躍などなど沢山の課題があります。
 政党は、課題に対する政策を打ち出します。政党の政策と私たちの考えが一致するとは限りません。政党の政策を幕の内弁当に例えれば、完全によし、とできる弁当はないのが通常です。気に入らない政策もあります。この政策はA党、あの政策はB党がよい、と思ったとしてもどこかの政党を選ばなければなりません。
 原発再稼働は反対だけれども、景気の回復を期待して、自民党に投票することもあり得ます。自民党は勢力を維持しましたから、再稼働に向けて動くでしょう。
 現実の課題が多いほど、政党を選択することに困難が生じます。ある政党を支持するということは、自分が賛成できない政策をその政党が推し進めることを認めることを含みます。
 それ故、私たちは、政策に優先順位をつけて政党を選ぶことになります。政策を考えるとき、長期的な視点も時に必要となります。今回の選挙は、景気回復優先という短期的視点からの投票がなされたのではないかと思います。


3.成長の持つビジョン

 政党は、自分たちはどのような考えで政治を行うかという綱領をもちます。日本の国をどのような国にしたいのか、というビジョンを持っています。ここにも、私たちは注目する必要があります。豊かな生活が送ることができるようになるなら、日本が軍隊を有し、徴兵制が実施されるような国家になっていいのか。それとも、軍備は最小限にして、武器に寄らず、外交による平和を徹底して求めるのか、政党にはそれぞれのビジョンがあります。ビジョンを検討して、政党を選ぶことも大切なことです。


4.選挙に行こう、そのために

  • 政党の綱領、ビジョンを確認しておこう。
  • 政党が掲げる政策について、自分の優先順位を考えておこう。
  • 支持する政党がない場合、この政党が権力を握って政治を行ったら嫌だ、と拒否の思いを表す投票も考えよう。
  • 決して棄権はしないようにしよう。


 棄権をする人は、どのような国になっても文句を言わないとの覚悟を持つ必要があります。かつての日本は、赤紙という1枚の紙切れが来ると、兵隊になり、戦場に行かなければならないという国になったのです。そして多くの若者が犠牲になったのです。兵隊に行くのはいやだと拒否すると非国民として非難されるのです。覚悟を持てないなら、選挙に行きましょう。


 どのような国をつくるか、一人ひとりに責任があります。