クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

むなしさに抗(あらが)って

 私は信仰を得たのは30歳の頃でした。青春時代は信仰とは無関係に生きていました。流行歌もよく聞きました。共感できる曲が幾つもありました。気に入った曲は時々、懐かしく聞くことがあります。

若い頃は聞かなかったけど後に聞いていい曲だと思わされる曲がいくつかあります。NHKのプロジェクトXという番組に中島みゆきさんの歌が流れていました。この番組はよく見ていたので、番組の最初に流れる『地上の星』はすぐに覚えました。番組の終わりに流れる歌は『ヘッドライト、テールライト』です。この歌は『地上の星』ほど心には残っていなかったのですが、最近ちょっとはまって聞いています。 

語り継ぐ人もなく
吹きすさぶ風の中へ
紛れ散らばる星の名は
忘れられても
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

  歌詞に出てくる「星」はプロジェクトXで取り上げられる注目すべき仕事をした人を指しています。「星の名は忘れられても」とあります。注目すべき仕事をした人のことを「語り継ぐ人もなく」、「吹きすさぶ風の中へ紛れ散らばる」とあります。要はその名は忘れられてしまうということだと思います。自分の名は忘れ去られてもよき働きをする人たちがたくさんいます。この無名の人たちの働きによって、この社会は成り立っています。「旅はまだ終わらない」。人は変わってもこの社会を支える人たちの働きは続く、とたたえる歌に思えます。 

 「忘れられても」。この歌はむなしさにあらがって生きる人間をたたえているのではないかと思います。そして私は共感するのです。私は若いとき、むなしさの中に生きていましたから、今でも共感します。キリストを宣べ伝える業は、ある意味ではむなしく感じる面があります。昔、日曜の礼拝を終えて、繁華街に出たことがあります。人々は楽しそうに日曜の午後を楽しんでいます。キリストの救い、そんなの関係ない、と言われているように感じたことがあります。 

コリント一15:58
わたしの愛する兄弟たち、こういうわけですから、動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい。主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです。

  プロジェクトXに登場する人たちは人々が認める業績を残しました。福音を宣べ伝える人の働きは、業績として残ることはあまりありません。牧師として自分は何人の人の洗礼を授けたのだろうかと考えても、数え切れないほどの人に洗礼を授けたわけではありません。だから私は自分の務めに忠実であり続けることを大切にしました。忠実に常に主の業に励むなら、神さまは覚えてくださると信じました。

「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです」。励まされ慰められるすてきな聖句です。 

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