昨夜テレビで映画を見ました。「あなたに」。俳優の高倉健さんの最後の作品だそうです。主人公は妻を亡くしています。ある時、妻の遺書を見せられ、妻の遺志に従い、妻の遺骨を妻の故郷の海に散骨します。主人公は刑務官として働いています。映画では富山の刑務所になっていました。富山から長崎まで車でドライブします。ドライブする中での人々との出会いが興味深く描かれています。何らかの挫折、思うように行っていない人生を生きている人たちと主人公が関わります。
その映画の中で主人公の妻となる人が歌っていた歌が妙に心に残りました。インターネットで調べるとそれは何と、宮沢賢治の作詞作曲の歌なのです。<星めぐりの歌>。インターネットのYouTubeで色んな人がこの歌を歌っていることが分かりました。寂しさをたたえたメロディーですが、心に浸みてきます。映画の中で田中裕子が歌っている歌が一番心に浸みてきます。
高倉健さんは妻を亡くした男を演じています。思うように行かない人生を歩いている人と主人公との出会いがありました。この出会いから何かが始まるというわけではありませんが、思い通りにならない人生を生きている人への共感を描いていると思いました。
<星めぐりの歌>の歌詞は以下の通り。
あかいめだまのさそり
ひろげた鷲のつばさ
あをいめだまの小いぬ
ひかりのへびのとぐろ
オリオンは高くうたひ
つゆとしもとをおとす
アンドロメダのくもは
さかなのくちのかたち
大ぐまのあしをきたに
五つのばしたところ
小熊のひたいのうへは
そらのめぐりのめあて