クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

できるだけ毎朝読むようにしているものがある。加藤常昭著『み言葉の放つ光に生かされ』。一日一ページ分の文章が載せられている。感銘を受けた文があったので、ここに記録しておきたいと思った。


3月29日分
 ドイツのライン川西岸に、フンスリュックという緑の農村地方が広がる。その地の牧師パウル・シュナイダーは、ナチの権力に抵抗し、結局ブーヘンヴァルト強制収容所で獄死した。収容所に送られるために、コブレンツ警察署に留められていたとき、妻が別れを告げに行った。アドヴェントの最初の日曜を控えた金曜日であった。警察はまだ、今でもいいから、ナチの命令に従い、自分の教会に戻らず、よそに行くなら釈放してもよいと妥協を勧めていた。妻が持って行ったアドヴェントクランッのロウソクをともしながら、一夜を過した。翌朝妻と会ったとき、シュナイダーは激しく泣いたそうである。言葉を失った妻は、その日のローズンゲン(聖書日課)の聖句を読んだ。

「すると、長老の一人がわたしに言った。『泣くな。見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、……』」(ヨハネの黙示録第5章5節)。

 玉座に座っておられる方の右手にある巻物の封印を解く資格のある者が誰もいない。その現実に預言者であり牧者であるヨハネが激しく泣いた。牧師シュナイダーのこころがそこで重なった。そして妻がみ言葉を読む。ごらんなさい。あなたのために封印を解いてくださる方がおられる。それは「屠られた小羊!」。