東日本大震災から二年が過ぎた。風化という言葉を聞く。
被災当時は、日本全国一致して被災者への支援を行った。しかし人々は、それぞれの生活にいそしみ、被災地のことを段々と忘れていく。それを責めることはできない。風化させてはいけないことも確かであり、風化させない責任を負う人々がいるはずである。
昨日の新聞記事が心に残った。
首相は原発の再稼働を明言している。
震災後の現実は時代の歯車を逆回りさせているかのようだ。
これでは大震災は「ひとごと」になるばかりだ。
安全神話のもとで建設され、運転されてきた原子力発電所。地震と津波でもろくも安全神話が崩れ、安全に発電できるという保証はなくなった。国民の不安に対して、きちんとした説明もないままに経済活動に必要だから、との再稼働の発言は、原発事故を風化させる発言以外の何ものでもないと思わされる。
