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はびこる無責任

 原子力規制委員会は、16日の定例会合で、九州電力川内(せんだい)原発1,2号機について原発の新規性基準に適合しているとの判断を下しました。
 規制委員会の田中俊一委員長は

「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない

と記者会見で述べています。基準を満たしているとは述べていますが、安全ですとは言わない、とはっきり述べています。

地元の薩摩川内市の岩切秀雄市長は

「国が決めた基準で審査しての結果なので安全だと思う

と述べました。
安倍晋三首相は

「規制委が審査して安全だという結論が出れば自治体の皆さんの理解をいただきながら、再稼働を勧めていきたい」

と発言したそうです。


 誰も安全だと言っていないのに、安全であるということにして、再稼働を進めるということです。誰が最終的な責任を負うのでしょうか。日本では大事故が起きても誰も責任を取らないという事態があるそうです。

3.11の原発事故もそうです。国会に設置された事故調査委員会は、その報告書の前文で

「この事故が『人災』であることは明らかで、歴代および当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命を社会を守るという責任感の欠如があった」。

と断定しています。そして現在に至るまで、誰も政治上・行政上の責任を問われない状況が続いています。


 原発は絶対安全だとは言えません。稼働するには、原発のリスクを受け入れるという日本社会全体の合意の形成が必要となります。昨今脱法ハーブを使用して人身事故を引き起こした事故が続いています。余りにもひどい事故で、犠牲者になった方やご家族は本当に気の毒です。でも自動車の利用は廃止しようという動きは生まれません。日本社会は、自動車がもたらすリスクを受け入れています。原発の稼働については、リスク受容の合意形成はできていません。


 リスクを受け入れる合意形成に努力しないで、しかもリスクを負う責任を誰も負わないままで、原発が再稼働されるとするならば、日本という国は、愚かで無責任な国家であったと後世の人から批判されることでしょう。正気の沙汰ではありません。


 ウクライナ上空で旅客機が撃墜されました。ウクライナ政府軍と親ロ派は、それぞれ相手を非難しています。イスラエルパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマスとの間で、イスラエルによる空爆ハマスによるロケット弾の応酬によって人命の犠牲が生まれています。和解しか平和の道はないのに、憎しみの連鎖がとまりません。


 理性ある人間が憎しみに支配されています。理性ある人間が無責任を何とも思っていないかのようです。人間は己の罪を悔い改めなければなりません。