洗礼を受けたキリスト者、クリスチャンの心には聖霊が住んで下さいます。聖霊を内に宿す人、これもクリスチャンのアイデンティティーです。聖書をいくつか引用します。ペンテコステの日ペトロは説教しました。
「イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです」。人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまり、わたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです」(使徒言行録2章36~39節)。
ここにははっきりと洗礼を受けた人は賜物として聖霊を受けるとあります。クリスチャンの心には聖霊が住んでおられるのです。パウロも次のように語っています。
「知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです」(コリント一6:29)。
私たちの体は聖霊が宿る神殿だというのです。パウロはこう語り、不品行を行うことを諫めています。不品行により体が汚れるからです。さらにパウロは、私たちクリスチャンが神の子であることに関連して語ります。
「あなたがたが子であることは、神が、『アッバ、父よ』と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります」(ガラテヤ4:6)。
御子の霊とは聖霊のことです。あるいはイエス様は次のように語ります。
「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である。世は、この霊を見ようとも知ろうともしないので、受け入れることができない。しかし、あなたがたはこの霊を知っている。この霊があなたがたと共におり、これからも、あなたがたの内にいるからである」(ヨハネ14:16~17)。
聖霊は真理の霊と呼ばれています。そして聖霊はあなたがたと共におり、これからもあなたがたの内にいるとイエス様は語ります。以上の聖句は、聖霊が私たちのうちにおられることを教えています。聖霊が自分の内におられる、うれしくなりませんか聖霊は神の賜物として、恵みとして、洗礼を受けた者に与えられます。言うまでもありませんが聖霊はパワーではなく、人格を持つ神です。
最後にハイデルベルク信仰問答問53を紹介します。
問53 「聖霊」についてあなたは何を信じていますか。
答 第一に、この方が御父と御子と同様に永遠の神であられる、ということ。
第二に、この方はわたしに与えられたお方であり、
まことの信仰によって
キリストとそのすべての恵みにわたしをあずからせ
わたしを慰め、
永遠にわたしと共にいてくださる、ということです。
礼拝の中で使徒信条を告白するとき、「われは聖霊を信ず」と告白します。その時、このハイデルベルク信仰問答の答えを思い浮かべることはとても大切だと思います。使徒信条は唱えるものではなく、告白するものです。