クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

キリスト、わが内に生きたもう(2)キリストに結ばれた者

 イエス様を信じる人をクリスチャン、キリスト者と呼びます。使徒パウロは、キリスト者のことをキリストに結ばれた者と語ります。キリストに結ばれている、それがキリスト者の特徴あるいは本質だというのです。

ガラテヤ 3:26
あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。

ロマ  6:3
それともあなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。

 ちょうど一組の男女が結婚して夫婦として結ばれるように、キリスト者はキリストに結ばれた者であるとパウロは理解していますし、新約聖書を読むと「キリストに結ばれた」という表現がよく出てきます。自分がキリストに結ばれた信仰者であると意識しているキリスト者は少ないかも知れません。

 そこで、洗礼を受けると人はキリストに結ばれるとパウロが考えるようになったのはなぜかと思案します。パウロ自身はもともとキリスト者を迫害していた人物であり、神の導きにより、突然キリストを信じるように導かれました。自分から願ってキリスト者になったわけではありません。でもキリスト者になったパウロは、自分がキリストに結ばれていると考えました。キリストに結ばれてキリストを宣べ伝えました。そして自分だけではなく、すべてのキリスト者は洗礼を受けてキリストに結ばれると教えます。

 パウロは聖書つまり旧約聖書をよく知っていたと思います。旧約聖書には神と神の民イスラエルの関わりの歴史が書かれています。イスラエルの民は、出エジプト記によれば、エジプトで奴隷として苦しい生活をしていました。その苦しみからの救いを求めて神に向かって叫びました。神はその叫びに応え、イスラエルの民を奴隷状態から救い出しました。イスラエルの民をエジプト王の支配から解放しました。その時神はこう言われました。

出エジプト記6章7節
わたしはあなたたちをわたしの民とし、わたしはあなたたちの神となる。

 神はイスラエルの神となり、イスラエルの民は神の民として生きるようになりました。イスラエルの民にとって神を信じるとは、神との関わりに生きることになります。これを神との交わりに生きると言います。イスラエルの民は、神と結ばれて生きるものとされました。

 それゆえキリストを信じたパウロは、キリスト者はキリストとの関わりに生きる者、キリストに結ばれて生きる者と考えるようになったのではないかと推測します。

 キリスト者の中には、キリストに結ばれたなどと意味の分からないことを言わずに、キリスト者は単純にキリストの教えを守ればいいのではないかと言う人がいるかも知れません。しかしキリスト者の特徴は、キリストに結ばれていることにあり、このことをきちんと受けとめることが大切だと私は考えています。

 創世記には神が最初に造られた人間アダムとエバは、夫婦として結ばれ、二人は一体となると書かれています。そしてキリストに結ばれたキリスト者はキリストとひとつになって生きるのが信仰生活であると聖書は教えていると私は信じています。キリストに結ばれて生きることは信仰生活を豊かにします。

f:id:holala:20220415221855j:plain

シャクナゲ 萬葉植物園