クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

 今日は、北陸連合長老会の牧師会があった。この牧師会では、最初に説教演習を行う。当番牧師が、日曜に行った説教をもう一度牧師たちの前で行う。その後、説教批判を行う。印象に残ったことは、説教で取り上げるテキストが持つ教理が何かを明らかにすることの大切さということ。


 先月北陸学院高校の礼拝で語った説教。今日、薬物依存に関する文章を読んだので思い出した。聖書はコリントの信徒への手紙二12:9。

「力は弱さの中でこそ十分に発揮される」。「だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」(コリントの信徒への手紙二12:9)。


 皆さんは強い人間ですか、弱い人間ですか。人間は意志が弱く、誘惑にすぐに負ける弱さを持っています。今日は、人間の弱さについて聖書が何と言っているか、お話しします。


1.人間の弱さ


 先月、ニュースでは、芸能人の酒井法子さんのことが沢山取り上げられていました。皆さんは酒井法子って人、わかりますか。


 非常に人気のある人でしたから、覚醒剤を使用し、逮捕されたというニュースは衝撃的でした。先日、彼女は保釈されて、今は裁判を待つ状態になっています。保釈された時の記者会見で、彼女はこんなことを言っていました。「自分の弱さのゆえに、手を出してはいけないものに手を出してしまいました」。つまり覚醒剤を使用したということです。そして今後は、二度とこのようなことはいたしません、と決意を表していました。


 覚醒剤を使ったために逮捕された人は沢山います。ある人たちは刑務所にはいって罪の償いをして刑務所から出てきます。するとまた覚醒剤に手を出すのです。刑務所に入る前は、二度と使わないと決心するのです。強い誘惑があるんです。酒井法子さんも覚醒剤を使用すると疲れがすっかりとれると話しており、とても爽快な気分になるので繰り返し使用していたようです。この時の、とても良い気分が忘れられず、何かあるとつい手を出してしまうのです。誘惑に負けるんです。


 自分の弱さのために覚醒剤を使った人の、もう二度と使いませんという決心は尊いものです。是非、使わないで欲しいと願います。しかし忘れてはならないことは、自分の弱さは何も解決していないということです。ですから弱さのために、もう一度同じことをしても不思議ではないのです。


 人間の弱さ、それは意志の弱さに表れます。すべきことができない、してはならないことをしてしまう、欲望に負けたりするのです。自分の弱さをどう解決したらよいのでしょうか。


2.聖書に登場する人間の弱さ


 聖書にも、弱さゆえ、してはならないことをした人が登場します。


 ダビデという王がいます。信仰深い王様です。しかし彼はある時、とても美しい人を見て、その人を自分のものにしたのです。彼女はすでに結婚していました。ですから、人の奥さんを横取りしたことになります。美しい女性を自分のものにしたいという欲望に負けたのです。人の奥さんを奪う、それは悪いことです。悪いことと知りながら、行うのです。

 
 そればかりではありません。彼女の夫を戦場に送り込み、戦死させるのです。夫が死ねば、安心して彼女を自分のものにできます。権力があるので、このようなことができたわけですが、欲望に負ける心の弱さをダビデは持っていました。


3.弱さに打ち勝つ


 私たちはみんな、弱さを持っています。聖書は、弱さに打ち勝つ方法を教えています。たいていの人は、強い自分になろうとします。強がったり、見栄を張ったりしますが、なかなか強い人間にはなれません。神様は言います。

「恐れるな、私が共にいる」。

 神様が私たちを守り、励まして下さるのです。神様が味方となって下さる時、私たちは自分は弱くとも強くなるのです。聖書にこうあります。

「力は弱さの中でこそ十分に発揮される」。「だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」(コリントの信徒への手紙二12:9)。

 自分の弱さを恥じる必要はないのです。聖書は弱さを誇るとさえ言っているのです。私たちは弱いけどキリストの力が現れるのです。キリストが共にいてくださるから、私たちは自分の弱さを恥じないし、弱さを抱えたまま、生きていけるのです。ありがたいことですね。


祈り

 天の父、自分たちの弱さをありのままに認める素直な心を与えて下さい。強がらず、見栄を張らず、自分を偽らないように導いて下さい。イエス様が共におられる、そこに私たちの強さがあることを教えて下さい。自分の弱さを知り、キリストの力を知る人こそ、本当に強い人です。自分の弱さを誇る者として下さい。イエス・キリストのみ名により祈ります。