クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

僕には才能がある?

 『羊と鋼の森』(宮下奈都)という小説があります。ピアノの調律師を主人公にした小説であることは知っていました。先日、その映画を見ました。映画の中で一つ心に残る言葉がありました。調律師の新米の主人公に対して先輩の調律師が言うのです。

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものに似ている何か。おれはそう思うことにしているよ」。 

  かって私は思いました。自分より聖書をよく知っている信徒がいる。自分より深く考えることのできる長老がいる。自分よりすばらしい説教をする牧師がいる。自分より神学について深い理解を持ち、それを適切に話すことのできる牧師がいる。自分の足りなさばかり気になっていた時期がありました。

 神さまは、私という人間をご存じの上で牧師に召されたと考え、ありのままの自分を私は受け入れました。そんな私に映画で聞いた「才能」についての言葉は新鮮に響きました。「好き」「執念」「闘志」。

 原作を読みたくなり、今読んでいます。そしてもう一つ心に響く言葉が書かれていました。ある出来事があり、それに刺激されて調律師の先輩が主人公に言うのです。

「あああ、俺、血がにじむような努力ってやつをしてみたいよ。そう思わないか」。

 こういう言葉を口から出させる出来事というのがあるんですね。すごいと思いました。この言葉を読んで思いだしたのはヘブル書の言葉です。

「あなたがたはまだ、罪と戦って血を流すまで抵抗したことがありません」(ヘブル12:4)。

 もう一つ思ったことは、血がにじむような努力かどうかは分かりませんが、私は毎日ブログを書く努力はしています。いつ書く種が尽きるのかと不安に思いながらも福音の証人としてブログに証しの文章を書いています。続けて書くために私の場合は汗が血のしたたり落ちるような祈りが必要なのかもしれません。福音を伝えることが「好き」、何とかして伝えたいとの「執念」、そして「闘志」はあります。福音を伝える才能が私にはあるのかな?

 

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新薬師寺の土塀の上の瓦 散歩道