洗礼式は、信仰を持つ決断をした人が受ける儀式です。この儀式を終えるとクリスチャンとしての歩みが始まります。この儀式には神の働きがあります。洗礼を受ける人は新しく生まれ変わります。それは神の働きです。でも神の働きは目に見えませんし、実感できるとは限りません。ですからこれを霊的な現実と呼びます。あるいは信仰上の現実と呼ぶこともできます。
洗礼を受けることによって私たちは信仰者に生まれ変わります。そのことについて聖書が語っていることに聞きます。
テトスへの手紙 3章5節
神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。
新たに造りかえる洗い、とは洗礼のことです。洗礼によって私たちは新しく生まれたことが分かります。それは聖霊の働きによるとあります。聖霊の働き、つまり神の働きです。
コリントの信徒への手紙二 5章17～18節
だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。
私たちは洗礼を受けることによってキリストと結ばれます。キリストと結ばれた人は、だれでも新しく創造された者です。新しく生まれ変わったという表現より、新しく創造されたと積極的な表現がなされています。それは神から出ること、つまり神の働きだと書かれています。
またイエス様はニコデモに言われました。ヨハネ福音書3章。
イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」（3:3）。
イエス様を信じる者は永遠の命を与えられ、神の国に迎えられます。イエス様を信じた人は、新たに生まれたのです。続いて次のように書かれています。
「『あなたがたは新たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚いてはならない。風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである」。
風が吹く音を聞いても、風がどこから来てどこへ行くのかはわからない。吹く音がするということは風が吹いていることは確かであることを示しています。霊によって生まれるということがどういうことか分からなくもてイエス様を信じる人は霊によって新たに生まれているのです。
私は自分が新しく生まれているなんて実感できないと言う方もおられると思います。でも私は思うのです。私は神がおられると実感して神を信じたわけではありません。私は神がおられると信じて生きています。時に、あ、神さまはやっぱりおられるんだと思うことはあります。しかし時に神は本当におられるのだろうか、と疑問に思うこともあります。実感はなくても神が共にいてくださると私は信じて生きています。
私たちは日曜の礼拝のために教会に行き、神に祈り、聖書を読みます。これらは私たちが新しく生まれていることを示すしるしです。なぜなら、信仰を持っていない人はこのようなことはしないからです。私たちが神を礼拝し、神に祈り、聖書を読む。それは私たちが新しく生まれたからです。そして新しく生まれた私たちには私たちの思いを越えた世界が開けてきます。
