クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

あらためて福音を知る

 ヨハネ福音書を読み終えて、今コロサイ書を読み始めています。先日読んだのは次の箇所です。

コロサイ1:13~14
御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。わたしたちは、この御子によって、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。

 私の大好きな聖句です。この箇所は福音を明確に語っていると思います。第一に御子による罪の贖いに基づく罪の赦し。第二に信仰者は闇の力から救われて御子の支配下に生きることができることです。

 第一の罪の赦しについては、礼拝説教でもしばしば聞くところの福音であり、自分の罪の赦しを感謝を持って受けとめている信仰者は多く、よく理解できることだと思います。しかし二番目の闇の力からの救い、および御子の支配下に生きることができることはあまり語られていないような気がします。「闇の力」とは何のことでしょうか。

 人間の心には色々な思いが湧いてきますが、その思いは三種類あります。一つは神から来る思い。第二に人間の心から生じる思い。第三に悪魔から来る思い。私たちが闇の力に支配されているとき、悪魔から来る思いで悩まされ、平安を失います。

 悪魔から来る思いの代表的なものは「恐れ」です。さまざまな恐れがあります。私自身は、死の恐れ、失敗することの恐れ、病気への恐れ、思い煩いなどで悩み苦しみました。平安がなくなります。人それぞれに恐れを感じるのは決して自然なことではなく、悪しき力の支配下に置かれているからです。つまり人間は全能ではなく自分の力に限界があり、物事を自分の思い通りにはできません。そこから思い通りにならなかったらどうしよう、との恐れや不安が生じてきます。

 聖書を読むと分かることは「恐れるな」と神が命じられることです。イエス様も弟子たちに対して「恐れるな」を命じられます。イエス様は弟子たちに次のように語られました。

ヨハネ14:27
わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。 

  また悪魔は、自分の力に信頼して生きろ、自分の力を信じろ、プライドを持て、とささやいてきます。すると自分に対する自信のなさが感じられ、色々な思いが湧いてきます。劣等感、妬み、憎しみ、悪口(批判)、プライドが傷つけられ赦せない思い、などが生じてきます。人によっては、弱みを見せるのをよしとせず、嘘をついたり、ごまかしたり、傲慢になったりします。自分自身を受け入れることができなければ平安を失います。

 さらに悪魔は私たちを誘惑し、罪へと誘います。汚れた思い、よこしまな思い、利己的な思いに導かれ、罪を犯しまた悪習慣に陥ります。自分を責めたりします。やはり平安を失います。

 私自身は死を恐れ、この恐れに囚われました。いつか死ぬと思えば、生きることの空しさを感じました。生きる喜びを失いました。学生時代には劣等感に囚われ、牧師になっても能力の欠如に悩みましたし、牧師として批判を受けてはいけない、との思いにもなり、苦しみました。平安がなかなか心に宿りません。さらに牧師だから、~しなければならないとの縛りにも苦しみました。闇の力、悪魔の支配下に置かれていたのです。

 しかし御子の支配下に生きることができるとの福音を知りました。クリスチャンのアイデンティティーを知りました。自分を受け入れ、自分を愛することができるようになりました。自分を愛することができてこそ、自分を愛するように隣人を愛することができるのではないかと思います。今は喜びと平安が心の底にいつもあります。

 聖書は、私たちは御子の支配下に置かれていると告げます。御子は死を打ち砕き、罪を打ち砕きます。この力が、私たちに対して恵みとして働きます。またクリスチャンのアイデンティティーは自分を受け入れることを可能にし、自分自身のことで悩むことがなくなります。まさに「福音は信じる者すべてに救いをもたらす神の力」(ローマ1:16)です。

 私が福音について目を開かれた聖書箇所を紹介します。最初はパウロが主イエスから福音宣教の使命を与えられたときの主イエスの言葉です。

使徒言行録26:17~18
わたしは、あなたをこの民と異邦人の中から救い出し、彼らのもとに遣わす。それは、彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち帰らせ、こうして彼らがわたしへの信仰によって、罪の赦しを得、聖なる者とされた人々と共に恵みの分け前にあずかるようになるためである。

ローマ 6:14
なぜなら、罪は、もはや、あなたがたを支配することはないからです。あなたがたは律法の下ではなく、恵みの下にいるのです。

ペトロ一2:9
しかし、あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです。

  

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