クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

A長老とCさんの対話(1)聖なる人

「A長老、こんにちわ」
「やあ、こんにちはCさん」
「Bさんが、A長老とお話をして大切なことを教わったと話されたんです。それで私もA長老とお話しさせていただけたらと思い、お声をかけましたの」
「そうなんですか。何でもおっしゃってください。信仰の話をするのはうれしいですから」
「聖書に『わたしは聖なる者であるから、あなたたちも聖なる者となりなさい』とありますでしょ。私が聖なる者、と考えると無理と思ってしまいます。A長老は御自分が聖なる者であると思っておられるのでしょうか」
「思っています。他の人が私のことをどう思っているか分かりませんが、私はそう考えています」
「A長老って、普通ですよね。聖なる人ってとても思えないのですが」
「ははは、これは手厳しい。聖なる人ってどんな人だと思うんですか」
「神様を畏れ敬い、なにか近づきがたくて、なにか高貴な雰囲気が漂うような」
「カトリック教会では聖者とか聖人と呼ばれる人たちがいますが、そういうイメージですか」
「そうなるかしら。A長老はあまりにも普通の信仰者で、聖なる人とは思えませんでした。失礼いたしました」
「いや、いいんです。Cさんの考えは分かりました。ところでCさんはクリスチャンってどんな人だと思いますか」
「クリスチャンは日曜日教会の礼拝に行き、聖書を読み、お祈りをする人というイメージかしら。人を愛することを大切にする人でしょうか。むずかしいですが。礼拝説教でも愛についてよくお話を聞きますから」。
「クリスチャンってどんな人なのか。キリスト者はどういう人のことをいうのか。こういうことを昔は話題にしませんでした。そういうことを考える発想自体がなかったんです」
「そうなのですか」
「礼拝説教では信仰者はいかに生きるかが語られました。Cさんはアイデンティティーという言葉を聞いたことがあると思います。心理学から生まれた言葉ですが、近年よく使われるようになりました。『自分は何者か』を意味します。自分はどんな人間なのか。どんな価値観を抱き、何を目指して、何を大切にして生きる存在なのか。自分は何者なのか、これが定まると人は明確な目標をもって生きることができます。<自分さがし>という言葉もよく聞いたことがあります」。
「なんだかむずかしそうですね」
「Cさんは洋服を選ぶ時、どんな基準で選んでいますか。安いものを選びますか。それともブランド品を選びますか」
「値段は考慮しますが、値段だけではありません。私らしい装いをしたいと思います。着る物によってイメージが変わりますから、自分に似合うもの、自分らしさを表現できるものを選びたいと考えていますわ」
「その私らしさ、自分らしさ、それがアイデンティティーです。このアイデンティティーという言葉が使われるようになってから、クリスチャンのアイデンティティーを考える人たちがでてきました。私はうちの牧師先生から、クリスチャンのアイデンティティーについて学びました」。
「むずかしくないのでしょうか」
「むずかしいことなんか何もありません。クリスチャンのアイデンティティーを知ることによって生きやすくなりました」
「生きやすくなった、どういうことなのでしょうか」
「私は自分はこれでいいと、自分を受け入れることができるようになりました。それまではクリスチャンとしての自分はこれでいいのかといつも悩んでいました」
「A長老は真面目ですものね」
「Bさんには、クリスチャンは新しく生まれた存在であることをお話ししました。このクリスチャンのアイデンティティーは、聖書に書いてあるんです。聖書からクリスチャンのアイデンティティーを知ることができるんです」
「そうなのですか」
「このアイデンティティーを知ると安心して、確信をもってクリスチャンとして生きていくことができるんです。そしてクリスチャンのアイデンティティーの一つが『聖なる人』なんです」
「聖なる人が、アイデンティティですか。するとクリスチャンは皆聖なる人になるわけでしょうか」
「Cさん、新約聖書に手紙がありますよね。ローマの信徒への手紙、コリントの信徒への手紙など、その手紙の最初の部分を読んでみてください。あることに気づきます」

コリント一1:1~2
神の御心によって召されてキリスト・イエスの使徒となったパウロと、兄弟ソステネから、コリントにある神の教会へ、すなわち、至るところでわたしたちの主イエス・キリストの名を呼び求めているすべての人と共に、キリスト・イエスによって聖なる者とされた人々、召されて聖なる者とされた人々へ。 

 「コリント教会の信仰者のことをパウロは、聖なる人と呼んでいます。信仰者が、聖なる者にされた、と書かれていますね。クリスチャンになるとは、聖なる人にされたことを信じることを意味します」
「そのようなこと聞いたこともありません。まずは家に帰って、新約聖書の手紙の挨拶部分を読んでみたいと思います。ありがとうございました」

 

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スミレ 明日香村