クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

殺してはならない

 十戒に「殺してはならない」とあります。イエスは「昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。しかし、わたしは言っておく」と語り、兄弟に対して腹を立てたり、『バカ者』と言うことも殺したに等しいと教えられました。

 人を殺すという行為をしていなくても、兄弟をののしることは同じ罪だと教えました。このように主が教えられたのは、当時のファリサイ派、律法学者たちが自分たちは神の戒めを守っていると誇っていたからです。

 イエスのもとに「永遠の命を得るにはどうしたらいいですか」と教えを求めてきた人がいました。彼も自分は律法を守っていると自信を持っていました。

 大切なのは、その戒めの精神、その戒めの背後にあるものです。他者に対して攻撃的な態度を取るなとイエスは教えておられると思いました。

 そして思いめぐらすことしばし。自分の中にも、殺人などしていない、他者に対して攻撃的な態度で振る舞っていない、と自分の義を満足する気持ちがあることに気づきます。

 「殺してはならない」という神の教えを「兄弟に対して腹を立てるな」「兄弟を馬鹿者と言うな」と言い換えると、教えの精神を忘れて、私はこれを守っていると自分の義を誇る誘惑があることを思いました。

 今、ロシアがウクライナに侵入し戦争を起こしています。戦争は人の命を奪います。ロシアの大統領は大義名分をつけて人を殺すことを決断したのです。人を殺してよい理由は何一つないと信じます。

 この国でも殺人事件は日常的に起きています。このような現実を目にしながら、心の片隅に、自分は殺してはいないと、イエスの教えのように、兄弟に対しても敵対的なことをしていないと自分の義を誇る思いに気づき、それじゃあ、いかん、と黙想を続けます。

 そして単純ですが祈ることに導かれました。ロシアの大統領が、殺人という大変な罪を犯していることに気づくように。今日という一日、殺人事件が起きないように、と。

ツユクサ 散歩道