ローマ 8:5
肉に従って歩む者は、肉に属することを考え、霊に従って歩む者は、霊に属することを考えます。
この「肉」という言葉を定義してみたいと思います。「肉に従って」とあるので、これは人間の性質と考えることができると思います。人間は、この性質に従って生きることになります。
「肉」とは、生まれながらの人間のもつ性質、さらに人間が成長する中で身につけてきた考え方、生き方を含む性質と定義したいと思います。
その特徴は、自己満足を求めるという特徴があります。それゆえ自分を第一に、自己中心的に生きるという特徴があります。
ハイデルベルク信仰問答という信仰教育のための問答書があります。「生きるにも死ぬにもあなたのただ一つの慰めは何ですか」という問いで始まります。この問答書は人間について次のように教えています。
わたしはわたしの神と自分の隣人を憎む方へと生まれつき心が傾いている。
憎むというのは強い表現ですね。私はこれを肉の性質を表していると理解します。ここで私は主イエスの教えを思い出します。主イエスはある時、律法学者から、「律法の中で最も大切な戒めは何ですか」と質問を受けました。
マタイ 22:37~40
イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。
これがいちばん大切な、第一のいましめである。
第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。
これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている」。
神を憎むとは神よりも自分を愛すること、隣人を憎むとは、隣人よりも自分を愛することを意味します。それゆえ、肉の性質は、最も大切な戒めを守らないという特徴を持つことになります。
ですから肉の性質は、自己満足を求めるという特徴、自分中心に、自分第一に生きようとする特徴を持つと理解します。
とすれば、次の言葉も理解できるのではないでしょうか。
ロマ 8:7
なぜなら、肉の思いに従う者は、神に敵対しており、神の律法に従っていないからです。従いえないのです。