私たちが聖なる者とされ、汚れのない者とされることについて考えていますが、そもそも聖なる者、汚れのない者とはどういう人なのかを聖書から聞いてみたいと思います。姦淫の罪を犯したダビデは、神に祈りました。罪を悔い改め、次のように祈っています。
神よ、わたしの内に清い心を創造し／新しく確かな霊を授けてください。
私たちは人間的な努力だけで、聖なる者になる、汚れのない者になることはできません。神さまのお働きなしには不可能です。聖霊の働きが不可欠です。ダビデの祈りはこのことを私たちに教えています。
私たちが聖なる者となる、汚れのない者となることが神のご計画であると告げるエフェソの信徒への手紙は４章で次のように書いています。
だから、以前のような生き方をして情欲に迷わされ、滅びに向かっている古い人を脱ぎ捨て、心の底から新たにされて、神にかたどって造られた新しい人を身に着け、真理に基づいた正しく清い生活を送るようにしなければなりません。
ここでは、古い人を脱ぎ捨て新しい人を身につけた人が聖なる人、汚れのない人となります。信仰を持つ以前の私たちは古い人でした。新しい人とは、心の底から新たにされ、神にかたどって造られた人とあります。
イエス・キリストを信じる人は、神の子とされました。心の底から新たにされ、神にかたどって造られた人です。神の子の特徴は何でしょうか。神の子は、父なる神の言葉、つまり聖書の言葉によって生きることに特徴があると私は考えます。古い人は聖書の言葉とは何の関係もなく生きている人です。新しい人は聖書、つまり神の言葉によって生きる人です。心の底から新たにされてとは、心の底から、つまり徹底して神の言葉によって生きることを決意した心ということができます。これは聖霊の働きによって可能となります。
聖なる人とは、聖霊の働きを受けて、神の言葉によって生きることを決断した人です。聖霊の働きを受けるという点では受動的ですが、神の言葉によって生きるという点では能動的です。
そもそも聖なる者の「聖」は、神のために他のものと区別された、ことを意味する言葉です。聖所とは、神を礼拝するために他の場所とは区別された場所をいいます。パウロは、手紙を書く時、手紙の宛先人のことを「聖なる者たちへ」と書きます。信仰者とは、イエス・キリストを信じない他の人たちと区別された人、神を信じ、神のものとなった人を意味します。ですから聖なる人とは、神の言葉によって生きる人を意味すると私は考えます。神の言葉によって生きることにより、他の人たちと区別されます。汚れのない人とは、神の言葉以外のものによって生きることをしない人を意味します。汚れとは不道徳というより、この世的なものを意味します。富とか名誉とか、権力だとか、自己実現だとか、このようなものは人を汚すのです。
ダビデはわたしのうちに清い心を創造し、と神に祈りました。清い心、それは神の言葉によって生きる心を指すと私は考えています。
