マタイ 5:13
「あなたがたは地の塩である。
あらためて思います。学ぶことができるということはうれしい、と。聖書は内容が深く、自分の力では深みに到達できないことがあります。そんな時に学ぶことができるのは、本当にうれしいです。
「あなたがたは地の塩です」。これはマタイ福音書5章14節の言葉です。ロイドジョンズ牧師の『山上の説教』という本を読んで、深い感銘を味わいました。
塩には防腐機能があります。たとえば魚の鮭に塩をまぶして腐るのを防ぎ、長期保存することができます。塩鮭ですね。塩と鮭は別物ですが、これを一つにすると塩の保存機能が働きます。
そこで「地」は何か、ということです。この聖句のすぐ後に「あなたがたは世の光である」という言葉があるので、この「地」は地上の世界、言い換えるとこの世界、この世を意味していると考えて差し支えはありません。そして世は腐りやすいのです。世には腐る傾向があります。神がよきものとして造られたこの世界ですが、人間は罪を犯し、この世界は問題に満ちています。十戒に「殺すな」「姦淫するな」「盗むな」「嘘つくな」「むさぼるな」との戒めがありますが、この戒めに対する違反が満ち満ちているのが、私たちの世界です。この世です。
神の目から見れば、この世は腐っています。どれぐらい腐っているのかは分かりませんが、それなりに腐っていて、今後、さらに腐っていくかもしれません。現時点では、ある国の指導者が隣国との戦いの中で核兵器を使うかも知れないと語ったと報道されています。この世界は時間をかけて放置したら、悪くなることはあってもよくなることはないと思います。
このような世の中に、地の塩としてのキリスト者がいるのです。塩であるならキリスト者は、この世の人たちとは違う存在、違う生き方をする人でなければなりません。この世の人たちは、腐っている世を構成している人たちです。キリスト者が世の人たちと同じような生き方をしているなら、この世がさらに腐るのを防ぐことはできません。世の人たちと違う生き方をしているから、塩としての働きができます。
ロイドジョンズ牧師が「地」とは腐敗し、争い、対立、憎しみ、悪が満ちている邪悪な世界を意味し、キリスト者はこの世の人とは違うあり方、生き方をすることによって塩としての機能を果たすと明確に述べているのを読んで「聖書が分かる」という喜びを感じました。
私たちは自分が今生きている世界を腐敗した世界であると断定することに少し抵抗を感じるかもしれません。でもその通りだと私は思います。主イエスが荒野で悪魔の誘惑を受けられたとき、悪魔が言いました。「わたしを拝むなら、世のすべての国々とその繁栄をあなたに与える」と。この世は悪魔の支配下にあります。どんなに繁栄しているように見えても、人々は罪を犯し、この世は十戒の違反で満ち、平和の中を生きることができている人は少ないです。
塩は自ら行動することはしません。ただ存在するだけです。キリスト者もただ存在するだけで塩の役割を果たします。よく使われる言葉を使うなら、キリスト者の姿は、オーラを放つというのです。
