超教派の集会で主題講演をされた韓国サラン教会の玉（オク）牧師は、開拓伝道から牧師としての働きを始めた方です。韓国はキリスト教が盛んですが、他の教会が、伝道のためのイベントを開催して人を集めているのに反し、玉牧師は教会に来た人の信仰を聖書の学びを通して成長させることを通して、伝道をされました。時間をかけ副牧師が70人もいる教会を築かれました。
そこで私は彼我の違いを思わせられます。私は日本の教会で洗礼を受け、そして牧師への道を歩みました。教会は日曜日は礼拝、水曜日に聖書研究祈祷会、家庭集会を定期的に行うのが平均的な教会の歩みだと思います。聖書の学びはしていますが、信仰者を育てる、信仰の成長に心を尽くすという姿勢に欠けているのでは、と私はうすうす感じていました。
現在の教会も、似たような歩みをしているように思います。少なくとも私が属する日本基督教団の諸教会は、その傾向があると思います。
サラン教会の取り組みは私に自己批判を迫りました。
教会に赴任して困ったことは、洗礼希望者が出たとき、どのような準備をしたらよいのか分からなかったことです。私自身が洗礼を希望したとき、礼拝で告白する日本キリスト教団信仰告白の内容を牧師に3回解説してもらっただけです。言葉が頭の上を通り過ぎました。結局、私も似たようなことをしました。それではいけないと思い、自分なりに信仰の学びを10回にわたって行うような準備をしました。でも洗礼式が終われば、それでおしまいです。私には受洗者の信仰をフォローするプログラムがありませんでした。
玉牧師は弟子養成、信徒訓練に力を注いだことを話されました。
マタイ 28:19～20
だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、
あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。
主イエスは弟子たちに、「すべての民をわたしの弟子にしなさい」と命じて天に帰りました。この「弟子にしなさい」を伝道をすることと解釈し、主イエスのこの命令を大宣教命令と語る声をよく耳にしました。これは明らかに伝道して信じた人を主イエスの弟子に育てることが命じられていると私は考えます。
キリスト者は皆、主イエスの弟子なのでしょうか。それとも信仰熱心な人たちが弟子なのでしょうか。私はすべてのキリスト者は主イエスの弟子であると考えています。
ヨハネ 13:34～35
あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。
この主イエスの言葉は、キリスト者はすべて主の弟子であることを教えていると私は理解しています。（続）
