御殿場教会に仕えていたときです。ある時一組のご夫妻が転入会されました。このご夫妻は若い頃南米に移住されました。かの地で仕事をし、子どもを育て独立させ、一段落したので、日本に来られたのです。信仰生活をされたいとの願いをもって帰国されました。
日本でも仕事を見つけられ、そして教会に来られました。何年かが過ぎたとき、ご主人(Sさん)が白血病になりました。入院し、治療をされました。寛解状態になり、日常生活に戻られました。しかしまた再発してしまいました。
その頃どういうわけか、病気になる方が多く、生ける神さまを知った私は、心からいやしを求めて祈りました。
「イエス様、あなたは、あなたのもとに来た病人をすべて癒やされました。私とSさんはあなたのもとに行きます。いやしてください。今私の手をあなたの手とし、私が手を置いて祈る時、どうぞ癒やしを与えてください」。
私は毎週電車に乗って見舞いに行きました。見舞いに行くときは必ず聖書の話をし、信仰に立つようSさんを励まし,祈りました。ある時、Sさんが「悪夢を見るのです。車を運転していると石が飛んできてフロントガラスを砕き、砕けたガラスの破片が顔に向かってくるのです。恐ろしくて目が覚めます」と話されました。
それでSさんの頭に手を置いて祈りました。その日はそれで帰りましたが、次の週見舞いに行ったとき、「祈っていただいた日から悪夢は見なくなりました。先生に祈っていただいたとき、先生の手から何か電気のようなものが流れるようなビリビリするものを感じました」と言われました。私の手は何も感じませんでした。
癒しはおきませんでしたが、Sさんが平安に眠ることができるようになったことは感謝でした。忘れられない出来事、生きて働かれる神さまの恵みでした。