クリスチャンが元気になる holalaのブログ

隠退牧師 holala によるブログ

信徒の忘れられない言葉(9)

先生、老いるとは、日々新たな経験をすることなんですよ。

 言われてみれば、その通りです。若い人には老いを生きる経験はできません。この言葉を聞いた時、突っ込んで、どんな経験をしておられるのか、と聞けばよかったと思っています。ただ当時の私は無意識のうちに相手の内面に入り込むことにためらいを感じていました。でもお聞きすればよかったと思っています。話し好きな人は、人から聞かれなくても進んでお話しされるでしょうが、自分のことを話すことに抑制的な人もいます。それから何年かして、この方の最後をご家族の方と共に病院で看取りました。静かに息を引き取られました。

 クリスマスカードを下さった姉妹が、私のことを心配してくださいました。「死」をめぐってブログで色々書いているので、体調が悪いのではないかと心配してくださったのです。私は特に悪い状態にはありません。元気に過ごしています。年をとるということは、自分の死を意識して生きることであることを、新たな経験として知りました。
 いつ死んでもおかしくないとの思いを抱きながら、まだ元気でまだまだ生きるつもりでいます。自分が死ぬことを本気では思っていないのです。ひとりの老人の心境です。幸いに守られているので、このような思いを抱くのだと思います。

 自分の死をいかにして受容することができるのか、それは一つのテーマです。私が礼拝出席している奈良高畑教会では、毎年クリスマスに『羊群』という小冊子を発行しています。私は「喜んで死ぬということ」と題して寄稿しました。

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新薬師寺沿いの私の好きな小道。