昔、ずっと昔流行した歌謡曲があります。その出だしは、
「わたしバカよね、おバカさんよね」
です。細川たかしさんが歌った曲です。「自分ってバカなんだよね」。これは心を解放する言葉です。
私は優等生でした。中学、高校、成績がよく、大学もまあ有名大学に入りました。勉強はしました。よくやったと思います。ある意味、誇りです。
それはそれとして、優等生には恐れがあります。失敗を恐れるのです。優等生ですから、何事もうまくやってこそ、優等生であり続けることができます。ですから、失敗することを恐れます。何事もうまく行わなければならない、それが心のストレスになります。与えられた問題を上手に解くのが優等生です。しかし人生は、簡単には解けない問題に満ちています。そこで苦労します。うまく対処しなければならない、それがストレスになります。実際に対処がむずかしい事態に直面すると心がひどく苦しみます。
優等生であることは自分のプライドでもあり、このプライドを捨てることはできません。失敗しないで物事にうまく対処するにはどうしたらいいのか、それで苦しみます。失敗してはいけないのです。でも失敗しない自信はありません。上辺だけごまかそうとしたりします。でも心地よくありません。
「僕ってバカなんだよね。こんなことできないんだよ」
と口に出すことは勇気が必要でした。しかし実際に言ってみると、心がスッキリしました。自分がこのように言っても、案外人は聞き流しているように見えました。何事もうまくやらなければならないというストレスから解放されます。それだけではありません。プライドから解放されました。さらにいえば、謙遜な人間へと変えられました。聖書の「誇る者は主を誇れ」の言葉がスッと心の中に入ってきました。自分を誇る必要はない、そのことを知ったとき、心は本当に自由にされました。
~~~~~~
キリストの福音は
私たちに自由を与えます。
ヨハ 8:32 あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。
ヨハ 8:36 だから、もし子があなたたちを自由にすれば、あなたたちは本当に自由になる。